犯人を許す

友人Hから聞いて知ったことなんだけど、ドキュメンタリー番組で、「娘を殺害された夫婦が犯人を抱きしめて許すまで」というものがあったそう。娘さんを殺害した犯人と接触したり、生い立ちを知っていくことで犯人を殺害に駆り立てた経緯やバックグラウンドを知ることで、犯人と犯人の行為を理解し、抱き合って許すことで被害者の良心も救われた、という内容。

そういえば、以前テレビ朝日の討論番組で「少年法是か非か」で少年法擁護派の弁護士が、「アメリカで犯罪者をハグして許すことで救われた犯罪者の被害者もいる」という話をしていた。上にあげたのと同じ話だと思う。そのドキュメンタリーが放送された後、被害者の両親に「そんなのでほんとに娘を愛していたのか」と講義が殺到したとか。

私はその話を聞いて、そもそもテレビの2時間かそこらの枠で、そこまでの経緯をしっかりと視聴者に伝えること自体に無理があると思った。その両親のした行為(自分の娘を殺した犯人を許す)というのは、さんざん苦しみ、迷いぬいた挙句にやっと自分たちで出した結論なのだから、その苦しんだ経緯をはしょったまま、犯人を許したというところだけを犯罪被害者の有り方のひとつのモデルみたいに示しても、到底説得力はない。

討論番組での少年法擁護派弁護士も「アメリカでは犯人を許すことで救われた被害者がいる(からあなたもそうしたら)」と少年に奥さんと赤ちゃんを殺害された被害者に向かって言っていた。確かに正しいようなこと言ってるように聞こえるけど、なんか借り物の幼稚な正義を振りかざしているみたいで、何より実際の被害者を目の前にしてよくさらっとそういうことが言えるなーと驚いた。

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