『震災日録』で、在日イスラム教徒の人たちが献身的にボランティアをしていたことを知った

森まゆみさんの震災日録は、もともと谷根千ネット内で連載されていたものなのですが、こうやって新書になると、やっぱりずっと読みやすいです。

この本で知ったのは、在日イスラム教徒の人たちが献身的にボランティアをされていたということ。

震災後、3月13日から、モスクが中心となって自分たちでお金を出し合い、被災地のなかでも特に皆怖がって行きたがらなかった福島にカレーの炊き出しに行っています。
ちなみに、モスクはイスラム教の寺院とか教会みたいなところです。

いざボランティアを行おうとすると、例えば「限られた食料を公平に配るために避難所にいない人まで食べにきた場合どうすればいいか」など、色々と細かなところにぶつかると思うのですが、本書に出てくるイスラム教徒の人たちは、揺るぎないイスラム教の教えがあるので、迷うことなく行動できてしまいます。

それにしても何でムスリムの人たちがこれほど日本人のためにはたらいてくれるのか?

「アラーの神は隣人が困っている時に助けないものはムスリムではない、といっています」と簡単な答えだった。アキルさんは貿易商だそうだが、「そんなに仕事をやすんでいわきばかり往復していいんですか」と聞くと。「大丈夫、私のいない間は神様が代わって仕事をしてくださいます。そしてそっちのほうがいい仕事ができるんです」とにっこりした。小学校では言われた数より多い食事が出た。避難所にいない人も食べたりする。「そういうの、気にしないんですか?」と聞くと」「どうして?」と不思議そうな顔。おなかがすいているひとが来たらあげるのが当たり前、というのだろう。わたしは自分の狭量を恥じた。

「神様の教え」という道徳の基盤があるというのはすごいことなんだなと思いました。
そして、日本のために働いてくださった皆さんに感謝の気持ちを持ちました。



マクブルさん、めっちゃいいキャラしてます。
あと、カレーが美味しそう!

※蛇足ですが、じゃあ私はイスラム教に入信したいかというと、それはそれで大変そうだなと思ってしまいます。女性の生き方に制限が多すぎてしんどそうな印象があって。