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『原由美子の仕事1970→』読みました

原由美子の仕事 1970→

原由美子の仕事 1970→


画像は、原由美子さんがスタイリングを担当した「anan」1973年5月20日号より)

日本のスタイリストの草分け的存在である原由美子さんの仕事話中心の自叙伝。

前から読みたかった本です。
なぜ読みたかったのかというと、私は雑誌の世界が好きだから。

雑誌、特にファッション誌の、虚構の夢世界を作り上げて一つのページにでっちあげる感じが好きです。でっちあげ繋がりで、むりやりセレブらしくしている人の生活を見るのもわりと好きです(よくアメブロとかにいるような)。そういう意味では叶姉妹も好きです。

私が子どもの頃や10代の頃は、ファッション誌の中のおしゃれ感あふれるページを見て「ああ、それにひきかえ私の周りは何でこんなごちゃついてるんだろう」なんて思っていましたが、この当たり前のようにおしゃれに見えるページの向こうには、そのおしゃれさをでっちあげるためにスタジオやロケ地を手配したり、イメージ通りのモデルを探したり、服を借りてきたり、ということがあったんですよね。
(「でっちあげる」って言葉はあまりよくないかもしれませんが、これが一番しっくりと感じました)

最近はファッション誌のページを撮影するためのインフラがすっかり整っているらしいので、昔に遡るほど、苦労して手配したり、無いものを工夫してあるようにしたりしなければならず、そのぶん撮影時の話が面白くなります。

原さんによると、イメージ通りのモデル、ロケ地、服…など全てが完璧に揃うことはまずないとのことで、いまだに「イメージ通りの完璧なページ」を作れたことはないのだとか。



本を読んだところ、原由美子さん自身は虚飾を嫌う、ストイックな職人肌の人だと思いました。
原さんが過去にスタイリングした雑誌のページもたくさん載っているのですが、シックで大人っぽいものが多くて憧れます。

あと、巻末の対談も良かった。
向田邦子さん、高峰秀子さん、白洲正子さんとのそれぞれの対談が載ってます。
みんな怖そうなんですが、その中でも一番おっかないのは白州正子さんかなと思ってたら、意外に一番気さくで優しそうでした(笑)

ちなみに一番怖そうだったのは高峰秀子さん(意地悪というわけではなく、元々の迎合しない性格が年令と社会的地位と共に強くなったという印象)で、向田邦子さんは、小説家らしく話し相手の触れてほしくなさそうなところまでグイグイくるので、興味を持たれたらめんどくさそうだなと思った(笑)