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『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』読んだよ。

面白かった。最後の方は早く最後が見たいのと、読み終わる淋しさが共存してた。

二つの物語が交互に綴られていく。
一つはこの物語ができた時点での現代(1980年代)、もう一つはいまひとつ時代背景がわからない、国も時代も不詳な世界。けど壁に囲まれている町というのはヨーロッパ中世の城郭都市を思い起こさせる。そして、この二つの物語のどちらの主人公もキャラや考え方が似ている。

読みはじめはゆっくりと鈍重なんだけど、そのうち物語の動きに引っ張られていくうちに面白さが加速していくのと、伏線がどんどん回収される期待感でどんどん読み進んでいけた。

印象に残っているところが二つあって、
一つは「人間のやりたいことというのは未来があることが前提になっている」という趣旨のもの(本を返却してしまったので正確な言い回しは失念)。これはとある理由で未来のなくなった主人公がいう言葉。

もう一つは確か計算士の主人公に仕事を依頼した老教授が言っていた「認識一つで世界は変化する」「世界を変えるのは物理的な世界を変えるんじゃなく認識を変えるんだ」みたいなもの。『風の歌を聴け』の冒頭にもそんな意味の文章があった。私も世界について考えるときに「世界は物理的な世界以上に主観的な認識によって出来上がっている割合が多いんじゃないか」みたいなことを常々考えているので物語にいっそう馴染むことができた。

『世界の終わりと…』の性描写を読んでサリンジャーの『フラニーとゾーイー』を思い出した。この作品でも「女の子がベッドにもぐり込んで」みたいなあんまり生々しくない描写があって、その雰囲気に似てた。やることはやってるんだけど爽やかでおしゃれな感じ。『ノルウェイの森』の性描写はそれに比べると生々しい感じがした。あとは食事シーンが美味しそうだったな。サンドイッチがよく出てきたのでつい私もサンドイッチが食べたくなってしまった(実際にドトールでローストビーフのミラノサンドを食べた)。