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清水良典『自分づくりの文章術』自分の言葉に確信を持てれば、外からの言葉に惑わされない

 

自分づくりの文章術 (ちくま新書)

自分づくりの文章術 (ちくま新書)

 

とても励まされる本だった。 

私が文章を書いていく上で漠然と期待していたことを、清水さんが本書で明確に表現してくれているのだ。

『自分づくりの文章術』はそのタイトル通り、他者にどう伝えるかよりも、文章を通じて自分の世界を広げたり思考力を豊かにしていくための文章術だ。

文章とは文を連ねてまとまった思想・感情を表現したもので、日々私たちが頭の中で言っている独り言や人との会話からして実は文章だ。日常会話、メール、SNS、あらゆるメディア…どんな人でも文章で情報を受け取り文章で考える日々を送っている。

自らの文章を磨き育てていくということは、考える力を磨き育てていくこと。

文章術を育てて自分なりの言葉で考えられるようにする、そこから得られる一番の果実は外からの言葉に惑わされなくなることだろう。

人というのは外から様々なレッテルを貼られて生きている。しかし、そんな外の言葉に対抗して、それを上回るリアリティを持った文を持ち得た人間だけが、自分で「自分」を作ることができるのである(青字部分は引用)。

これはそれほど難しく考えなくても、たとえば日常で理不尽な目にあったときに、頭の中で独り言みたいに突っ込んだり解説したりしてるといきなり心が楽になったりすることがある。『自分づくりの文章術』とは、そんな独り言力とか解説力を育てていくことなのではないか。自らを説得する言葉の説得力が増す。おそらくそれによって人生の楽さや生き抜く力は格段に違ってくるはずだ。