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佐々木俊尚『家めしこそ、最高のごちそうである。』読んでる間ずっと楽しかった

 

簡単、なのに美味い! 家めしこそ、最高のごちそうである。

簡単、なのに美味い! 家めしこそ、最高のごちそうである。

 

 書店で平積みされていたときからこれはおもしろそうと気になっていました。実際に読んでみた感想は「読んでる間ずっと楽しい!」。幸福な読書タイムを過ごすことができました。

料理好きな人は本の中盤に出てくる日々の料理写真を見れば、だいたいどんな料理を志向した本なのかはすぐにわかると思います。そう。簡単で無理をしない、素材や季節の味を大事にした料理です。煩雑な道具もなるべく使わず、基本的な料理道具だけで作れる料理というのもとっつきやすい。

本書の魅力のひとつは、こういった佐々木さんのセンスの良いレシピとポイントを抑えた料理のコツという料理自体の情報です。そしてもうひとつは、戦後日本の食の文化史的なところ。これがまたすごく面白かった。

まず、戦後からバブルまでの日本の食文化は実は最低だったという事実。いまはフェイク昭和30年代コンテンツや、作家の食卓紹介本(向田邦子さんや白洲夫妻など)などの影響からか「昔のほうがまっとうなものを食べていたそれに引き換え現在は…」とよく言われています。しかし昭和の時代は日本酒ひとつとっても純米酒にアルコールをぶちこんだ三増酒が当たり前に流通していました。向田邦子さんのような食生活を送っていた人はごく一部だったのです。

それからバブル世代から上の人たちの「つい道具に凝ってしまう」癖の話も面白かったな。佐々木さんいわく、まず形から入って気持ちを高揚させることで入っていく世代なんだそう。

あと好きなのが、おっさんがやたらと壮大な料理を作りたがる源流は檀一雄『檀流クッキング』にあるらしいということ。多摩川で丸鶏を振り回して洗い清めたり河原に穴を掘って直火の焚き火をおこしたりと、豪快きわまる料理ばっかり作ってるんだって。これは読みたい笑

最後に、個人的にぜひ覚えておきたいと思ったところをメモをして終わります。

1.野菜を塩もみして蒸す、というのは簡単でおいしい調理法。例えば一口サイズに切ったカボチャに手のひらで塩をまぶしつけて十分ほど置いて蒸す。

2.サラダの作り方。野菜を切って冷水で締め、キッチンペーパーでくるんで冷蔵庫で冷やし、オリーブ油と塩と酢であえて黒コショウをふる。

3.土鍋に白菜、豚ばら肉、ニンニク(一人二玉くらいいける。丸のままか潰す)と順に重ね、日本酒(料理酒ではなく日本酒)を注ぎいれる。水はいれない。白菜がくたくたになったらできあがり。

4.ころもに焼酎、揚げ油にオリーブ油を使うと天ぷらがパリッと仕上がる。