2014-01-01から1年間の記事一覧

「自分のことを哀れむな。それは卑怯者のすることだ」

ちょっと前に『ノルウェイの森』の感想を書いたわけだけど、その後また時間が経って、いま私の中で「ノルウェイの森といえばこれ」となっているのがこの言葉だ。「自分のことを哀れむな。それは卑怯者のすることだ」私の頭の中に残っているフレーズがこれな…

あれだけ気を使ってるのにもぐりこんでくる風邪菌。そして鍋

昨晩は夕方から鼻と目の奥が熱くなって、細かな鼻水がずっと出てた。 ちょうど夕方にここ2日取り組んできた仕事が一つ終わったので、とりあえず休養することにした。確かにこのところの寒さはすごかったけど、寝るときと外出時はマスクをするように勤めたり…

「選挙の力で政権をひっくり返した、その次はどうすべきか」それについて私たちは全く無知蒙昧だった

香港の若者は普通選挙を求めて血を流し、日本の若者は自らが持つ選挙権を放り投げる。選挙に行かない人の言い分はいろいろあるらしいが、特に民主党政権終焉以降は「誰がやっても同じだから」という無気力感があるようだ。しかし、民社国政権が終焉した大き…

『スプートニクの恋人』読んだ

ラストシーンを読み終わった時の私の一言。「…良かったですね…」なので詳細は言わないけどハッピーエンドはハッピーエンドだよ。 いや別にそんな穿った言い方をしなくともハッピーエンドです。 ただ、ハッピーエンドになったとしてあっち方面は大丈夫なんか…

『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』読んだよ。

面白かった。最後の方は早く最後が見たいのと、読み終わる淋しさが共存してた。二つの物語が交互に綴られていく。 一つはこの物語ができた時点での現代(1980年代)、もう一つはいまひとつ時代背景がわからない、国も時代も不詳な世界。けど壁に囲まれている町…

とうとう『ノルウェイの森』を読んだ。

宇多丸さんの『ノルウェイの森』(映画)の解説を聞いてたら観てみようかなと気持ちが動いた。なぜ今まで読まなかったのかというと、宇多丸さんが『ノルウェイの森』を紹介していたときのこの一言が全てをあらわしている。 「粗筋だけ取り出すと怒り出す人が…

弱い者たちが夕暮れ、さらに弱いものを叩く

先日もう一つのブログで発表したヘイトスピーカー目撃マンガは多くの人に共感してもらった。私自身、あの場で感じたどうしようもない感情をなんとかしたくてマンガを描いたので、多くの人とシェアすることができてとても心強く感じた。その中にこのような反…

みんなに自分史がある。

物心ついてからの私の記憶、いわゆる自分史というものの全貌を知っているのは私しかいなくて、そして各人それぞれに自分史を持ってるんだ、ということを思ったら不思議な気持ちになった。各人それぞれに自分史があるというのは、「だからみんなかけがえのな…

今の私はどこをホームグラウンドにしているのでしょう。

今の私はどこをホームグラウンドにしているのでしょう。十年前の私のホームグラウンドは自分のウェブサイトで、その下書きを手持ちのノートに書き連ねていた。Twitterを始めてからは、それらの心情吐露や日常的なつぶやきはもっぱらTwitterに書いていたけれ…

『アラブからこんにちは』

アラブからこんにちは作者: ハムダなおこ出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2013/06/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る冒頭から引き込まれた。灼熱地獄のUAEに住む著者が、夏の間のサンルームをカーテンで覆うことに悪戦苦闘すると…

「やる気待ち問題」と「表現人見知り問題」

何かやろうと思うときに自分の中にスイッチが入るのを待とうとしてしまう。自分の中にエンジンをかけようとするというか、ヤル気の脳内麻薬を出そうとする。でもそれが単なる逃げなのかが微妙なところ。たぶん、そのやり方は間違ってる。たぶん正解はそうい…

『輸入学問の功罪―この翻訳わかりますか?』

輸入学問の功罪―この翻訳わかりますか? (ちくま新書)作者: 鈴木直出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 51回この商品を含むブログ (51件) を見る1)『資本論』を翻訳した二つの流派。以前、ツイッターで「哲学書が難…

『肉体不平等 人はなぜ美しくなりたいのか』

肉体不平等―ひとはなぜ美しくなりたいのか? (平凡社新書)作者: 石井政之出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2003/05メディア: 新書購入: 4人 クリック: 27回この商品を含むブログ (22件) を見る人間の構造上、自分の容貌を直に見ることはできない。鏡やレンズを…

『ネオリベラリズムの精神分析 なぜ伝統や文化が求められるのか』

ネオリベラリズムの精神分析?なぜ伝統や文化が求められるのか? (光文社新書)作者: 樫村愛子出版社/メーカー: 光文社発売日: 2014/08/08メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る合理性だけで社会を設計すると、実質的には非合理的な社会になって…

青木理『誘蛾灯 鳥取連続不審死事件』 男性たちを惹きつけた二つの理由

誘蛾灯 鳥取連続不審死事件作者: 青木理出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/11/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (9件) を見る2009年、世間を賑わわせていた木嶋香苗の連続不審死事件とほぼ同時期に、鳥取でも似たような事件が起きていた。共通点は…

斎藤環 『原発依存の精神構造』メモと感想

私が常々持っている疑問で、なぜ原発事故以降でも原発をなくそうというコンセンサスがなかなか持てないのか、なぜ大きな選挙の多くが原発を推進し続けてきた自民党が勝利しているのか、なぜ放射能の被害について人々がいつまでもいがみ合っているのか、があ…

久しぶりに瞑想してる

2014年05月30日(金) 瞑想日記。半年ぶりかそれ以上ぶりくらいの瞑想。やらなければではなくて、ふいにしたくなって瞑想した。100呼吸…のつもりだけどカウントおかしくなった。気持ちよかった。途中で逃げ出したいような体の違和感をおぼえたが、それを受け入…

小山田容子『ちっちゃな頃からおばちゃんで』

ちっちゃな頃からおばちゃんで(1) (KCデラックス Kiss)作者: 小山田容子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/07/13メディア: コミック購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログを見るこのマンガはtwitterで「面白い」という評判を聞きつけて読み始めま…

林真理子『フェイバリット・ワン』 日常生活に支障をきたさない程度の面白さ。これは娯楽作品としてとても素晴らしいこと。

フェイバリット・ワン作者: 林真理子出版社/メーカー: 集英社発売日: 2014/03/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見るそれほど意識の高くないデザイナーの女の子が、恋愛や出会いや転職を経て新たな自分が開花し、運命が展開していく話。詳し…

STAP会見、モヤモヤするからやめてほんとに

動画とか記事とかあがってくると見ちゃうじゃん、気になるじゃん。 そこでいろいろ気になっちゃうじゃん。 でもその「気になったこと」(小保方さんのキャラクターとか)っていうのは、論文に不正はあったのかSTAP細胞はあるのかどうなのかみたいな本来の話…

phaさん『ニートの歩き方 お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法』

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法作者: pha出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2012/08/03メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 16人 クリック: 1,642回この商品を含むブログ (89件) を見る私自身、気の張ることが…

iPhoneを忘れたこと、のろけ話のこと。

iPhoneを自宅に忘れてきた。 通勤途中の1/10地点あたりで気がついた。 引き換えすことを思い浮かべたが、これから職場に行って帰宅するくらいまではiPhoneがなくてもそれほど困らないのではないかと思い、引き返さずに歩を進めた。 職場に行けばネットがある…

中村うさぎさんと佐藤優さんの『聖書を読む』が良かったよ。箇条書きで感想を書こう

聖書を読む作者: 中村うさぎ,佐藤優出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/08/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る佐藤優さんと中村うさぎさんが対談形式で『創世記』『使徒言行録』『ヨハネの黙示録』を読んでいきます。ついでに岡崎京子…

「時間が経つのが速すぎる!」を喰いとめる

前はよく時間がたつ速さを嘆いて、「この速さじゃお婆さんになるのもあっという間だ、大切な人や両親と過ごせるのもあと僅かだし、桜を見られるのもあと何回だろう?」なんて思っていた。何かと時間について気に病んでいた。でもここ最近はその悩みが収まっ…

NAVERでギャラリーストーカーの件をまとめたんだけどめっちゃ反応が薄かったという(泣

昨日、togetterでまとめられていたギャラリーストーカーの話に思うところがあったため、さっそく私もNAVERでまとめを作りました。 女性作家を悩ませるギャラリーストーカー!その傾向と対策失礼にならないようにネタ元のtogetterに「記事中に問題がありまし…

赤と黒

『シェアハウス わたしたちが他人と住む理由』 不満に耽溺するのではなく解決に重きを置く

シェアハウス わたしたちが他人と住む理由作者: 阿部珠恵,茂原奈央美出版社/メーカー: 辰巳出版発売日: 2012/11/16メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログを見る著者2人は、片方の妹さんを交えて女性同士3人で生活…

近代ナリコ『本と女の子 おもいでの1960-70年代』

本と女の子 おもいでの1960-70年代 (らんぷの本)作者: 近代ナリコ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/12/02メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 47回この商品を含むブログ (42件) を見る表紙の可愛さに思わず手にとってしまいました。 1960、70年代…

重大な錯誤を引き起こす毒言葉「あの人はスペックが高い/低い」 

人のことを製品になぞらえて「スペックが高い/低い」という言い方があります。この言葉のおかしさは、人間を資本や商品のような存在として捉えているところです。この言い方を目にし始めた当初は斬新な言い方だなあと感心しましたが、今では重大な錯誤を引き…

『顔にあざのある女性たち』 「社会を変えること」と「現状の社会でどう生き抜くか」

『顔にあざのある女性たち―「問題経験の語り」の社会学』 アザのある女性の苦しみと、女性一般の美醜の悩みは繋がっているのか以前、石井政之さんの『見つめられる顔―ユニークフェイスの体験』を読みました。 ユニークフェイスとは、生まれつき或いは病気や…