「日本辺境論」 47ページまでの感想

内田樹さんの「日本辺境論」をブックオフにて100円で買ってきました。

ブックオフで100円で買ってきたという記述は余計だったかな。
本を貶める目的ではなくて、叡智が凝縮された本たちを100円で買ってくることが出来るとことにワクワクするんです。図書館とはまた違ったトクした感。

ということで、中身。

まえがきの内容は、うるさい人たちにアレコレ批判されないための言い訳です。
それだけ学者の世界って日常的に意地悪な批判が飛び交う大変なのかもしれませんね。

一つの理論で、世界の全て(時間的にも空間的にも)を説明することを「ビッグピクチャー」だと呼ぶことをこちらの前書きで知りました。「そんな単純な理論で世界の全てを説明できるわけないだろー」という批判を引き受けつつ、そういう理論を打ち立てるって勇気がいりますね。でも確かに頭良さげに見えるけど無難なことばかり言うよりは、批判覚悟でビッグピクチャーを打ち出すのもかっこいいと思いました。

日本人は、他の国のような自らをちゃんと言葉で定義できるような形で自分の国を認識できていない。他の国との関係でしか自分の国を語れない。とこちらの本に書いてありました。

個人のケースで考えてみると、自分であることが当たり前すぎて、自分について考えたことがなかったので、突然「あなたってどんな人?」と問いかけられてもアタフタしてしまって、仕方がないから他の人との比較で自分を語るという感じかな。

日本は他の国のように、昔から近隣の国と丁々発止で自分を守ったり交渉したりという環境になく、自らのアイデンティティを考える必要に迫られずのほほんとしていた、ということなのかな。

それから、日本の外交エリートが、なぜアメリカのムチャな要求に嬉々として従ってしまうのかの分析も面白かったです。それは「理不尽でナンセンスな要求をしてくるのは、それだけ日本に親しみを感じているから」であり、「理不尽な要求ほどちゃんと応えて従えば親密度が増す」からだそうです。

また、筋を通すことや一貫性を保って行動するよりも「場の親密性」を優先させることも書いてありました。国家の重大事項でも「その場の空気」で決定されてしまいがちだと。(典型的な例が先の大戦)

私も、日本については、誰か特定の支配者や指令系統があるわけではなく、皆で忖度しあってこんななっちゃってるのではないかと常々考えています。
日本の支配中枢はきっと空っぽの空間なんじゃないかな。





というわけで、また続きを読んで行こうと思います。