実話ナックルズは侮れない

コンビニ本棚の隅っこにささっている、おどろおどろしい表紙でお馴染みの雑誌・実話ナックルズ

どんなアホな雑誌かと思いきや、なかなか骨太な記事もあり、とても読み応えがあります。
雑誌にしては広告も少なめじゃないかな。(アホな記事もたくさんあります。だが、それがいい

今出てるナックルズの今時点で読み終わってる中で面白かったのは、上原善広さんが被差別部落を歩く連載記事『日本の路地を歩く』での、「さいぼし」や「あぶらかす」など部落でポピュラーな食べ物の話。以前読んだ『被差別の食卓』ともかぶる内容だけど、また本にはなかった情報が追加されてました。あと、個人的に食べ物ネタが好きなので、こういうのは喜んで読んでしまいます。

それからギャル相手の美容師さんのインタビューも面白かったな。
最初、ナックルズにありがちなアウトローネタ話かと思ったら、ヘアサロン経営の話でした。ヤンキー文化圏な人の話なので、合理的な経営というよりも、根性論っぽい方向なんだけど、ギャル相手みたいな対象を絞っているところや、客層にあわせて飲酒喫煙もOKにしているところとか、いろいろと工夫も見えてなかなか面白かった。美容師さんがまたコワモテ兄貴な風貌で、ギャルのお客がワガママ言ってもガツンとお説教とかしちゃうのかなーなんて想像しました。
サロンが熊谷にあって、都内からギャルがわざわざ通ってくるというのも面白かった。

実話ナックルズを知ったのは、ニコ生ノンフィクションでよくゲストに出てくる実話ナックルズの元編集者さんが「福島の原発作業員に話を聞こうとしても警戒されるが、『元ナックルズの編集者です』と言ったら『ナックルズ読んでます!』と態度が軟化した」とか「刑務所で読まれている本第一位」というエピソードを披露してたのがきっかけです。

※「さいぼし」や「あぶらかす」がポピュラーなのは関西の部落だけだそうです。