映画観賞の思い出 『ミナ』(1993年フランス)

他の用事で検索をしていたらこの映画を紹介しているサイトを見つけ、懐かしい気持ちで読みふけってしまいました。

実際に観たのは映画公開の1993年当時、私が19歳の時です。
当時は周りに映画好きな友人がいて、よくミニシアターに行っていました。

主人公ミナは、非凡な才能を持っているけど、そのぶん妥協できず人やチャンスを遠ざけてしまう性格、ミナの親友エテルはミナのように突出した才能があるわけではないけど、イージーゴーイングな性格ゆえにそこそこハッピーな人生を送れる人です。
(リンクを貼ったサイトではエテルのことをエセルと表記していましたが、私が観てたときは字幕も発音もエテルだったので私はこちらで書きますね)

頑固なミナと俗物のエテル、どちらも自分のなかにいるのですが、当時の私はどちらかと言えばエテルに感情移入していました。ミナには羨ましい気持ちが強かった。映画の中では幸せを掴めなかったミナですが、私自身は、生れもった強い才能に憧れを感じていました。

冴えない自分をなんとかしたいともがいたり、友人の活躍に焦りの気持ちを抱いたり…という当時の苦い思いとぴったりと合って、『ミナ』は、映画を見終わってしばらくは「観た映画ベスト〜」の上位に必ず入っていた作品です。

そんなに思い入れのあった作品なのに、人生のトピックや関心事が様々に移り変わるに連れてすっかり忘れてしまっていました。

あとから知ったのですが、この作品はVHSのみでDVD化されていないそうです。
青春映画の傑作だと思うのにもったいない。
演出が子供っぽいとか稚拙とかたくさん批判はありますが、迷える青春時代を送る人に寄り添う作品であることは間違いないと思います。