『日本を再生!ご近所の公共哲学』 を読んで、よくわからなかったハンナ・アーレントが少しわかった

日本を再生!ご近所の公共哲学 ―自治会から地球の裏側の問題まで (生きる技術!叢書)
- 作者: 小川 仁志
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2011/06/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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以前、友人から「ハンナ・アーレントという人がいて、その人がなかなか良いことを言ってる」ということを教えてもらっていた。そのときに紹介してもらったブログを見に行ったものの、まず用語が独創的すぎることでひっかかってしまい、その先の理解に進めなかった。
どんだけ独創的かというと例えばこんな感じ
↓
1)労働(labour) 人間の肉体の生物学的過程に対応する活動力
2)仕事(work) 人間存在の非自然性に対応する活動力。生命を超えて永続する「世界」を作り出す。
3)活動(action) モノないし事柄の介入なしに直接人とのあいだで行われる唯一の活動力。多数の人間の間で生きること。
…既存の単語を改変しすぎだろ。
そんなわけで、ずっとハンナ・アーレントのことは忘れていたのだが、この『日本を再生!ご近所の公共哲学』を読んでたら、そのアーレントの言っていることが、私でも理解できるぐらいに単純化して書かれてあって助かった。
そこで得た知識で今一度おさらいしてみると、
・アーレントはナチス時代を生きたユダヤ人でいろいろ酷い目にあったので、世の中がまたナチスみたにならないようにするにはどうすればいいかを考えた。
・ナチスの特徴を考えてみたら「物理的には異なる複数の人間をあたかも一人の同じ人間であるかのように扱った」ことに気づいた。人の個性とか多様性とか都合を認めず、強い権力者の価値観に無理矢理一体化させる。そういう全体主義(ファシズム)がダメだということに着目した。
・ナチスのような時代が再来しないよう我々はどうすればいいのかというと、世の中が全体主義に陥るに要因は「大衆の無関心さ」があるので、市民が政治の討論をする草の根活動的な場を持つとか、なんか政治に関心をもって周りの人と話し合ったりするといいとのこと。これがアーレントの言う「活動」なのだそう。