『ソウルの風景 ―記憶と変貌―』四方田犬彦

ソウルの風景―記憶と変貌 (岩波新書)

四方田犬彦さんは1979年に日本語教師としてソウルに滞在し、その後2000年に再び大学の客員教授としてソウルにやってきます。まずは、この1979年の頃のソウルと、2000年のソウルがものすごく変わってしまった話。

「例えば東京だって1979年と2000年を比べたらだいぶ違うでしょ?」と思うけど、これが韓国・ソウルの場合は変化がもっと激しいんだよね。日本の場合、前の戦争は太平洋戦争だったけど、韓国の直近の戦争は1953年に停戦した朝鮮戦争。しかも国内で激しい戦闘が行われたのだから79年はまだまだその恐怖が生々しい時。…などと偉そうに書いていても、私自身、隣の国だというのに韓国の現代史についてほとんど何も知らなかった。こちらの本で少し知ることができたし、もっと知りたいと思った。