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『わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい』鴨居羊子

わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい (ちくま文庫)

下着デザイナーの第一人者。白くてだっさい下着しかなかった時代に、カラフルでかわいくて身につけて楽しくなる下着を作った人。下着メーカー・チュニックを築いた実業家…というすごい人なんだけど、このご本人のエッセイを読むと、全くそういう感じの人ではないの。ガスレンジの火を付けるのが怖かったり(わかる!それに昔のだから今のレンジよりも原始的でこわいのよ!)、経理とか事務仕事がすごく苦手だったり、動物が大好きで人間よりも野良猫や野良犬に友情を感じていたり、下着の営業に行ってイケズな応対をされてスゴスゴと帰ってきたり。強気なところもすごくあるんだけど、弱気になってしまうところも多々あって、それを無防備にさらけ出してるところがいいのね。強がらずに。武勇伝を吹聴して得意がるような人ではないの。

この時代に女性でセクシーな下着を作る会社を興したというと、自由奔放な人生のように見えるけれど、実は同居していた「お母さん」という道徳的な重しがあったというのも意外だった。私も実家で色々と母の目を気にしながら生活していたのを思い出して共感しちゃった。

ちなみに鴨居さんが活躍していたのは大阪。今回、私が大阪に旅行に行ったのにも、多少この本の影響があります。鴨居さんが歩いていた大阪を歩いてみたいなって。