どきどき僕の人生 (新しい韓国の文学 7) キム エラン (著), きむ ふな (翻訳)

今より広い家に引っ越したら、本棚を置いてそこに好きな本を入れようかな。将来子どもたちが何かの拍子に読んでくれたら嬉しいな…という本を。
 
そうしたら真っ先に本棚に入れたいのがこの本『どきどき僕の人生』キム・エラン
 
韓国の田舎町に暮らす17歳同士の両親のもとに生まれた、早老症を患う少年アルム。17歳になったアルムは34歳の両親を通り越して80歳の体になっている。
 
アルムは自分は勉強ができる子にも運動ができる子にも健康な子にもなれない…そんな自分にできることはなんだろうと、両親に物語をプレゼントしようとする。だから、この小説自体がなんていうの、入れ子構造だっけ、そういう面白い作りになってるの。
 
両親をはじめ、アルムを巡る人たちの描写もすごくいい。お隣のチャン爺さんとかね。
 
わたし、この作品のことも作者のことも何も知らずに手に取ったのね。素敵な装丁と、冒頭の数ページをよんだ時の「なんだか素敵な世界が始まりそう」という感触で。あとはちょっと前に読んだ『楽しい私の家』が良かったので、韓国の小説への期待感もあった。
 
それが本当に大正解だった。引き込まれて、「えっ」っていう意外な展開があって、感動して涙して、ちょっと笑って「うわっ、このフレーズメモしときたい」なんてところがあって、それでまた泣いて…。
 
 

 

どきどき僕の人生 (新しい韓国の文学 7)

どきどき僕の人生 (新しい韓国の文学 7)