「『婦人公論』にみる昭和文芸史 (中公新書ラクレ)」

 

『婦人公論』にみる昭和文芸史 (中公新書ラクレ)

『婦人公論』にみる昭和文芸史 (中公新書ラクレ)

 

 冒頭の「細雪」が婦人公論に連載されていたときのエピソードに惹かれて、あと私が森まゆみさんの著作のファンだということもあって読み始めたんだけど、太宰治の項で太宰治のあまりのクズっぷりに苛々して途中で挫折した…。

内容はね、雑誌「婦人公論」に執筆していた文豪の紹介。谷崎潤一郎とか、林芙美子堀辰雄芥川龍之介に恋された女性…名前忘れた、その他錚々たる作家。太宰治やたらと死にたがって(その割に戦時中はちゃっかり死のうとしない)、しかもいつも女性を道連れにとか最高に苛々してこいつほんっとクズだな!と思ってしまった。

太宰治ほどイライラしなかったけど、他の作家も「いい気なもんだな」「勝手にしろ」みたいななんか悪態つきたくなるような感じだったんだけどなんでだろw 私ってそもそも大作家の奇行エピソードってそんなに好感持てないタイプなんだよな。中野翠さんがやたら褒めてた森茉莉の「世間知らずなお嬢様だけど味覚や美的感性は鋭い」エピソードも「めっちゃ性格悪くて質悪い!それにこの人とは美の感覚も味覚も合わない!」としか思えなかったし、三島由紀夫が私設軍隊作ったりしたのも「戦争で悲惨な目にあったこともない甘々おぼっちゃんのお遊び、よかったでちゅねー」としか思えない。ただ、三島由紀夫については、はりきってカッコつけてる時に面と向かって批判されたり、苦笑されたりすると、すごく落ち込むという話を聞いたので、後から少し好感を持ちましたw