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『世界中のお菓子あります―ソニープラザと輸入菓子の40年―(新潮新書)』

 

世界中のお菓子あります―ソニープラザと輸入菓子の40年―(新潮新書)

世界中のお菓子あります―ソニープラザと輸入菓子の40年―(新潮新書)

 

 ソニープラザといえば、高校生の時、学校帰りに寄り道するのが楽しみだったなあ。当時はお金がなかったのでほとんど見るだけか、たまにお菓子やヘア関係の小物とかお小遣いでも買えるものを買ってた。今はソニーから独立して「プラザ」という名前になってしまったけど、ソニプラ当時は「家電企業のソニーなのになぜこんな女子向けの雑貨屋さんを…?」というのはうっすらと思っていました。

本書によるとその秘密は、自社ビルであるソニービルの地下が空いていたので盛田昭夫氏が「そうだ、そのスペースでアメリカのドラッグストアみたいなお店を開こう、日本でもソーダファウンテンを作るんだ!」ということで始めたそうです。

なので、昔のソニープラザにはソーダファウンテンという飲み物や軽食を出すカウンターがあったんだって。本に出ていた写真を見ると、いかにもミッドセンチュリーな作りで当時はかっこよかったんだろうなって感じでした。

現在の店舗では大量の商品を限られたスペースにどう置くか四苦八苦しているのに、オープン当初は品物がなかなか集まらなくて、棚をいかにスカスカに見せないかが大変だったらしいです。商品もね、今見るとなんてことないものなのよ。アイヴォリーの石鹸とかバンドエイド(!)とか。それでも当時はパッケージがかっこええとかキラキラしてたんだろうね。

勉強になったのは、ずっとソニプラで働いていた著者の田島さんがお菓子の展示会に買い付けに行く話。田島さんは毎年フランクフルトで開かれる世界最大のお菓子の展示会に買い付けに行くんだけど、最初の3年くらいは行って帰ってくるだけで何も成果が出せなかったそう。会場を回るだけで1日終わっちゃうし、そんな落ち着かない状況の中、とてもじゃないけど商品に目星をつけて商談にこぎつけるまでにはいかないと。それ読んで「そうだよねー!!」と納得。私も展示会を回った経験があったけど、よくこの環境と雰囲気で皆さんサクサクと商談成立させてくるなと思ってたんですよ!

ソニーほどの大企業でも同じような感じで回っていたのかーとなんか安心してしまった。それで、田島さんも展示会の前にあらかじめ商品と企業をしっかりとピックアップして、それで臨むようにしたんだそうです。

それから現在のお菓子業界の話。お菓子業界も時代の流れで、EUの企業なんかはどんどん大企業に吸収されて再編されていってるそう。バレンタインになると「手作りチョコなんてチョコ溶かして固めなおしてるだけやろ!」という突っ込みが毎年行われるけど、実はヨーロッパのチョコレート業界はまさにそうで、ほとんどの企業は同じ「チョコレートの素」を使ってるんだって。これをもとに独自に何かを混ぜたりとかしてるんだそう。