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読書「なぜ性の真実『セクシャルパワー』は、封印され続けるのか」

最近ネットで見かける“こじらせ女子”の答えが本書にあるのではと思いました。

その前に“こじらせ女子”の方を説明すると、雨宮まみさんが書かれた『女子をこじらせて』という本から来た言葉で、世間や男性が言う「理想の可愛い女の子」像に自分が当てはまらないことに悩み、女性としての自分に自信が持てない、という女性です。

「なぜ性の〜」から引用すると

「必要ではないのに必要と思い込ませて過剰に奨励している分野」のビッグ2、といえるものがある。一つは「恋愛・セックス」で、もう一つは「ダイエット」だ。この二つはそのまま、現代女性の代表的な心の歪み現象とピタリ重なっている。(186p)

この二つはどちらも、女性に「そのままの自分では価値がない」と思い込ませることによって成立していることにお気づきだろうか?何しろメディアからは、「そのままのアナタ」よりも「もっとヤセている女」で「もっと男性に喜ばれる女」が高く評価されるよ、というメッセージが絶えず発信されている
(186p)

巷では「女を売り物にするとお金になるよ」というメッセージが溢れ返っている。しかも、ここがグロテスクなところなのだが、その一方で「そのままの貴女」ではなく「こんな女なら高く売れるよ」と、誰にしてもなれるわけではない容姿や能力をまとった女性像がメディアを通してせっせと送りつけられてくる。(187p)


こんな社会の中で女達は、心の内部で静に、自分でも気づかないうちに自己否定の心を育ててしまう。そのままでの自分でもここにいる価値がある、と思える自尊心を育てられないでいる。(187p)

これは橋本治の本で読んだことなのですが、1985年プラザ合意でアメリカに極端な円高路線にさせられてしまって以降、日本の企業は輸出一辺倒から内需拡大へ、いままで手付かずでいた「女性」というフロンティアへモノを売ることにしたそう。

女性は消費者としてチヤホヤされ、力を得たように見える一方、絶えず「このままの自分ではいけない」とコンプレックスと物欲(サービス欲)を刺激され続けている。

例えば20年前に「枝毛」という概念が登場して、やたらと枝毛コートとか枝毛関連商品が出回ったことがありました。最近あまり枝毛という言葉を聞かなくなりましたが、あれは美容業界が「枝毛」という小さな現象に焦点を挙げて騒ぎ立てて商品を買わせるという一連のプロモーションのわかりやすい例ではないかと思います。こう考えると色々とキーワードがありますよね、「小顔」とか「巨乳」みたいな言葉も、顔が小さくなくてはいけないとか胸は大きくなくてはいけないみたいなメッセージを知らず知らずのうちに植えつける効果があるかもしれません。

ポイントは、そのままの自分を肯定するのではなく、マスメディアが流す安易な女性像を真に受けて「このままの自分ではいけない」と自己否定に走ることがよくないということなんですよね。

本書は、こういった外部からの情報で自分を痛めつけることを止め、自分の中から湧き上がる本来の自分に立ち返ろうと言っています。そして、本来の肯定的なセックスをすることでエネルギーを高められ、こういったことに負けない豊かな自分になれると述べています。
ただ、本書は解決策よりも問題点に気づかせることに重点が置かれているので、自分の女性性に肯定的になるためのより具体的な方法が知りたい方は、著者の夏目祭子さんが出されているダイエット関連の本をオススメしておきます。


とはいえ私自身はどうかというと、マスメディアなどが流す理想の女性像に影響されているところもあり、メイクや服も好き(※)。きれいと言われたらとても嬉しい。
このように、まだまだ根源的に内なる自分を信頼して生きることはできていないのですが、夏目さんの言葉は心に響きました。
内側から湧いてくるものにより光を当てていけたらと思います。


※メイクや服を楽しむこと自体は良いことです。「今のままの自分は醜いから」と自己否定から駆り立てられる消費活動がよくないということです。