『ラテンに学ぶ幸せな生き方』

 

ラテンに学ぶ幸せな生き方 (講談社+α新書)

ラテンに学ぶ幸せな生き方 (講談社+α新書)

 

昨今のめちゃくちゃな政治(国会で野党の質問にろくに答えない政府、国民の財産の壮大な私物化、ファシズムやナチズムに向かってるんじゃないかという恐ろしさ)への無力感、絶望感に苛まれていたところに読み始めたこちらの本。

いやー、すごく元気になれました!

不安定な政治状況や日本以上の格差社会であるのに、自殺率は日本よりも遥かに低く幸福度も高い。それはやっぱりそれぞれの人に「生の肯定」という意識がしっかり根付いていることだと思った。枝葉の部分が多少いい加減でも、この根っこが太ければ、人間は強く幸せに生きられて、またそれが本来の生物の姿なんだろうな。

いまの日本社会はこの大前提がかなり失われていますよね?私自身も、以前はちょっとしたことで「私なんてなんで生まれてきたんだろう」「なんで私なんかが生きてるんだろう」「生きてる資格がない」なんてくよくよしてました。ちょっとした躓きから、どうして生の否定なんていうところに飛躍してしまっていたんだろう。あとは10年前くらいかな、話題になった「なんで人を殺してはいけないの」論争も、この「生の肯定」という大前提を見失っていることだと思いました。

こういうのは言葉で説得するというよりも、私自身が生を肯定して生きることが大事になるのかなあ。

こちらの本に書いてあった、家族や親しい人同士で愛情表現をマメに交歓しあうこと。いつも褒める。しょっちゅうハグをする。これはぜひ実践したい!

ちなみにラテンアメリカ社会では、日本でよく言われる「産んで欲しいなんて頼んでない!」「なんで産んだんだよ!」みたいなことを母親に言うというのはまず考えられないそうです。こういうことを言ってしまうというのは、親に甘えているというのもあるんだろうけど、なにか親からの愛情をいまいち信頼できなかったみたいなところもあるのかなあ。なので、私はぜひ息子を抱きしめて「あなたがいて嬉しい」「大好き」とたくさん言おうと思います。

日本以上に生活の苦しい人が多いラテンアメリカなのに、日本ほど自殺者が多くないという理由には、上記のような「生を肯定する」意識がしっかりしていることと、それから湯浅誠さんがよく言っている「ため」があることも大きいように思いました。「ため」とは、困難にぶち当たった時の家族や友人のサポートというのかなあ。金銭以外のセーフティネット。それが日本よりも分厚い。頼り頼られる関係がもっと寛容。ふだんから親族や友人たちが互いの家に行き来しているので、家に家族以外の人が来ることに慣れている。だから失業して住むところが無くなった友人が転がり込んできても、日本でイメージするほどのストレスはないよう。

この「家に社会性がある」というのは、子どもの引きこもり防止にもなっていて、ラテンアメリカ社会では、日本みたいに子供部屋がものすごく散らかっていることはほとんどないんだそうです(ちなみに私もそういう荒れ狂った子供部屋に住んでました)。それは部屋の監督はあくまで本人ではなく親であることがはっきりしていて、本人以外の家族が出入りするのが前提、そしてお客さんが泊まるときには子供部屋を明け渡さなくてはいけない。日本みたいに子供部屋にプライバシーがないんですね。プライバシーが欲しかったら、大人になって自分で稼ぐようになってからしなさいということ。これいいなあと思った。

政治や経済が不安定な中で幸せに生きるコツは、どんな状況でも楽しみを忘れない、「状況はどんどん変化するものだ」という人生観を持つことのよう。日本と違うのはそれが個人の世界に閉じこもったりシニカルにならずに、外の世界や社会に関わっていく積極性をちゃんと持つことなのかなあ。

あと、子育てというか息子さんに教えられたらいいなあと思ったのは、女性に優しくするとか女性をエスコートすること。ラテンアメリカ社会では、男の子も15歳位になるとそれが自然に出来てくるそうで、日本でもこの習慣は身につけて損はないのではと強く思いましたw 一見似たように見える男性が二人いて、片方は女性が重い荷物を持っていたら気軽に持ってあげたり、ドアを開けてあげるみたいなことが身についてる、片方はそうではない、としたら、この二人の人生って大きく変わるんじゃないかと思って。

『聡明な女は料理がうまい』桐島洋子

 

聡明な女は料理がうまい

聡明な女は料理がうまい

 

 いま妊娠中の半病人みたいな感じでひいひい言いながらなんとか暮らしているので、桐島洋子のこの溢れるバイタリティが眩しい。人生に対するやる気と食に対するやる気が本全体からみなぎってます。

もちろん、美味しそうな「あ、これやってみたいな」というのもたくさんありましたよ。私がここでメモしておきたいのは、サラダのドレッシング。

油と酢のほかには塩とこしょうがドレッシングの基本だが、私はそれだけではサッパリとしすぎていていささか物足りず、刻んだ玉ねぎやパセリ、すりおろしたにんにくを加えてかなりこってりと強烈なドレッシングにする

これやってみたいね。ドレッシングといえば、高峰秀子の料理本に、ドレッシングにタバスコを入れると美味しいとあったので、それ以来いつも入れてる。今度はここに、刻み玉ねぎやパセリやすりおろしニンニクを入れてみよう。サラダがすごくおいしくなりそう。

マッシュルームの白ぶどう酒煮も私の好物の一つ。石づきを切って濡れ布巾で拭ったマッシュルームをスライスし、強火で1~2分サッとバター炒めして皿に上げ、あいたフライパンにこんどは玉ねぎの薄切りを入れ、弱火でゆっくりとやわらかくなるまで炒める。そこへ白ぶどう酒をひたひたに注ぎこみ、月桂樹の葉も入れて、ぶどう酒が半分ぐらいになるまで煮つめる。そこへどけてあったマッシュルームを戻し、塩と胡椒で味を整え、5分ほどさらに煮詰めてから、皿に盛り、刻んだパセリをふりかける。

これも付け合せに良さそう。

あとはやっぱり出てくる会話が面白い。「まるで山小屋じゃない。あなたねえ、女の三十代なんて、もう少し優雅であるべきよ。それにあなただって男友だちの一人や二人はいるんでしょ。男友だちが遊びにくれば、夜中にハタと空腹を覚えるような事態も発生しうると思うけど」

「才たけた女性は必ずよい料理人であるという私の持論を、わが有能な仲間たちは、あなたを除いてはだれひとり裏切っていないのよ。どうもこの例外は目ざわりで困るんだなあ。あなたも遅ればせながら勉強して料理人の列に加わってほぢいわね。高年初産婦みたいなものだからちょっとシンドイけどさ、あなたのインテリジェンスをもってすれば、そのへんの花嫁修業の女の子なんかに負けやしないわよ」

「だけど、初めからこんな所帯じみたアッパッパ料理につきあっちゃダメ。ビギナーズ・ビ・アンビシャス、記念すべき処女作は、アッと驚く大ごちそうであるべきよ」

ちょっと木嶋佳苗欲求不満ブログを思いおこさせるけど(ていうか、こっちが明らかに先達だから向こうがマネしてるのか)こういう会話がポンポン出てくる日常ってすごい。

気持ち悪い気持ち悪い

今日の夕方、急につわりになった。

まだ少し気持ち悪さが残っている気がする。

お腹も出てきたし、もう妊娠に次ぐ妊娠で(といっても二人目だけど)、もとの体型とか正常時の体調とかがよくわからなくなってきた。なんなんだよもうさ、子どもの可愛さとはまた別に、こう妊娠時の常に体調が悪いみたいなのって辛いよねー。女って本当に損だと思うわ。男なんてつわりの苦しみも陣痛の痛みも分娩の死にそうな思いもないものね。それなのに子どもが手に入るなんて、あんな楽なのないわ。

…と体調の悪さに任せて書きなぐりました。

また部屋が散乱し始めた。あとは、着る服がないこと。

毎日ひいひい言いながら生きてます。

体調が良くてサクサクと動ける時と、疲れちゃってかなわんわーという時があります。いまは後者。だから食器洗うのも朝に回しちゃおう。こういう甘さがgkbrを招くのだろうか。ちなみに旦那さんの家事は全く期待できません。それどころか「お風呂のお湯を抜いて湯船を軽く洗ってくれれば、次にお風呂に入る時に楽だよ」というのを何回も言ったけど殆ど実行してくれないという状態(聞いてはくれる)。唯一してくれるのはゴミ捨てくらいかな。とはいっても、かなり私がお膳立てしないと(ゴミを一つの袋にまとめて、あとはそれを持っていくだけの状態にしておく)いけないんだけれども。どんなふうに伝えたらいいのかさっぱりわかりません。言わなきゃと思うとそれもストレスになるので、つい自分でやっちゃう。

部屋が散乱し始めたので、疲れながらも少し片付けた。そうしたら、GUで全く同じ服を二着買っていたことに気づいた。別にものすごく気に入ってる服というわけではないんだけど、GUにそのとき並んでいた中でぱっと見た感じ、重宝しそうな服に思えたんだな。またさ、いま赤ちゃん連れだからじっくりお店を見て回れないのよ。そのとき入ったGUのお店が2階に分かれていて階段しかないので(遠く歩けばビル内のエレベーターがある)、階を移動する際には、もうこの階には戻ってこれないくらいの覚悟で行くからね。そんな中で必死にひっつかんだ服です。

妊娠してまたお腹が大きくなってきたから着る服がなくなってきた。前回大きくなったお腹が完全に引っ込まないまま、新たにまた大きくなってきたので、この前回の蓄積の分、11週目にしては大きいんじゃないだろうか。体型の変化が激しいのってほんと困る。

 

病院に行ってきました

また前回みたいにお産難民になるところだった…。

いま10週目で、予定日は11月前半。超音波検査で画像を見せてもらったら、脳とか心臓とか見えた。いま3センチだって。

お産難民になるところだったというのは、実は11月前半のお産を病院ではすでに締め切っていたため。ただ、リピーターの患者さんは受け付けてくれるという特例でなんとか滑り込めました。よかった…。

実は、私も昨日ここの病院の分娩予約状況が締め切られていたのをウェブサイトで見ていたので、ほかの産科も検討しないといけないのかなあと、通えそうなところを見て回ってたんだけどけっこう11月の予約がいっぱいで受け付け終了なところばっかりだったのよ。みんなどんだけちゃんとしてるんだよ!私の場合は、生理来ない→遅れてるんだろうな→まさか…→いやいやいやw→やっぱり妊娠?→検査薬→あああああ(子どもが欲しくないわけじゃないんだけど、小さい子がいてさらに赤ちゃんのお世話をする状況を想像してうわあああとなる)→現実逃避→旦那さんに伝える。喜んでくれて私も一つ仕事をなし終えた感がする→一仕事終えた感で数日たつ→そうだ、病院に行かないと→まあ、もう少し後でいいか…という具合に逡巡するのですが、世間の皆さんは迷いなくスパーンと行動するのでしょうか。いやいやいや、けっこうグダグダしていて受診するの遅くなる人、けっこういると思うけどなあ。そういう人たちはどうしてるんだろうね。もしかして評判が悪くて患者が集まらない病院に追いやられることになるんだろうか…。

まあ、それはともかく、去年出産した病院に行ってきました。事務の人も助産師さん、お医者さんも覚えていてくれて、またここにきて良かったなあと思いました。ちなみにね、長男をこの病院で出産したときは、もっと週数たってから行ったんだけど、余裕で分娩予約できたんですよ。

私は自分が兄弟のいない一人っ子で、兄弟のいる人生ってすごく縁遠い感じがしてたんですよね。だから、自分には兄弟はいなかったけど、子どもたちはそうなる、子どもを通して兄弟のいる人生を体験するような感じがします。性別はまだわからないんだけど、なんとなく男の子の気がするなあ。どうだろ、この予想当たるかな。前回、今の赤ちゃんを妊娠してるときは「きっと女の子だ!」と予想して見事に外したんですけどね。

過食ブログが意外に勉強になった

ブログ主さんが過食に苦しみながらも、 食べている時の心の動きとかもちゃんと記しているし、糖質制限してるし、運動したりしたり料理したりしているので、「姐さん、えらいよ!」と思いながら読んでる。

勉強になることもたくさんあったので以下メモ。

1)糖質制限をしたときにコンビニで何を買うべきか。こちらのブログでは、ローソンのブランパン、ゆでたまご、ソイカラ、枝豆、チーズを主に買ってる。あとカロリーコントロールアイス!これ食べたことあるけど、そういえば美味しかった。今度アイス買うときはこれにしてみよう。

2)ホームベーカリー欲しい!藤堂志津子さんの『独女日記』を読んだ時も思ったけど、手軽にしかもすごくおいしくできるらしい。糖質制限をしている場合は、ふすま粉とかおからを使って焼くといいらしい。

3)「食べること以外何もする気がない」とご自身で常々書かれているほど無気力だというブログ主さんが、なぜ糖質制限についてはちゃんと実行されているのかというと(これだけでもすごいと思う)、やっぱり効果を感じているからなんだって!糖質を制限したほうが、過食で苦しみながらもまだ動けるんだって。糖質をたくさんとっている方が、もっと落ち込みとかが激しいみたい。

4)トマトに甘味料を書けて食べることで、果物の代わりになる。これ私もやってみたくなった。

5)アイハーブで買い物。アメリカ製のサプリメントを現地価格で安く買えるという認識だったアイハーブ。昔、サプリを買った時には気がつかなかったけど、食品が豊富で安いらしい。ステビアやエリスリトールのような甘味料も安いので、糖質制限してる人にはとても重宝するんだとか。ステビア欲しい!あと糖質制限用のパンケーキシロップも美味しそう。

それから、こちらのブログのメインテーマである過食についての感想。私も一時期、夜中に起き出して何か食べるというのにハマっていた時があったし、過食とまではいかなくとも、食べている時の無になれる感じとか、一人で何も気にせず食べる時の開放感とか、すごく共感した。ちなみに、夜中になにか食べるクセは、虫歯になって歯が痛くなったという出来事があって目が覚めました。今まではほわわ~んと脳天気なままに夜中ゴソゴソと何かを食べて幸せな気持ちでぐっすり寝てたんだけど、それ以来は「あああ、ダメだ、寝る前に歯を磨かないとまた虫歯になる」という不安感が釘を刺すようになって。で、一回止まると、わりとそれがまた続いてしまうもので、今のところその悪癖は収まってます。あと、精神衛生的にもいいよね。夜中に起きてなにか食べるって、そのときはよくても起きてる間は「ああ、あれやっぱり内臓的にも体重的にもまずいよなあ」って思いますものね。

とても良いブログだと思うんだけど、リンク貼るのはやめといたほうがいいかな、やっぱり。ああいった心情吐露系のブログって、ひっそりと書いていたいというものかもしれませんものね。

追記:その後、こちらのブログを読み進めていって、やっぱり摂食障害は甘くないんだなと思いました。精神論や心がけでなんとかなる問題ではないし、けれども医療機関にかかるのも高額な費用が必要だし…。なんとか光明が見えてブログ主さんが楽な方向に行けたらなあと思います。

『冠婚葬祭のひみつ』常識だと思っていた葬式・結婚式のマナー、実は…

 

冠婚葬祭のひみつ (岩波新書)

冠婚葬祭のひみつ (岩波新書)

 

 いやー面白かった!図書館から借りてきた本だけど、これ買うわ!買って周りに配る!

冠婚葬祭の本というと、たいていは実用書になりますが、こちらは今その実用書などで流布されている「冠婚葬祭の常識」自体を俯瞰したものです。いま常識とされている「マナー」が、実は大した根拠もないのに、過去のマナー本から引用・抜粋しているだけで、それを伝言ゲームのように繰り返してるうちに、もはや根拠も不明なまま定着しちゃっている。

結婚式、葬儀、それぞれ江戸時代ぐらいのものから、チャペル挙式や家族葬といった今どきのカタチまで網羅されていて、その流れが面白くてスイスイ読める。

結婚式の方は単純に読んでいて面白い感じだったけど、葬儀の方は面白さに加えて実用的な対策なども充実していてすごく良かった。だって結婚式はそもそも結婚しない人もたくさんいるし、結婚したとして式はあげない選択もあるけど、葬儀の方は誰もが当事者として巻き込まれるものだからね。私が「これ素晴らしい!買って配りたい!」と思ったのも、こちらの葬儀編の方を読んでから。

今の私が「あ、これはぜひやってみようかな」と思ったのは、お通夜で香典を渡すときに香典袋の中に「香典のお返しはご不要です。どうぞお気を使わずに」と一言添えるというもの。著者の斎藤美奈子いわく、葬儀で「こんなもの要らない」と思う筆頭が香典返し。「費用もばかにならないし、お返しを期待して香典を出す人など誰もいまい(いても無視していい)。ただでさえ悲しい思いをし、医療費や入院費がかさんでいる遺族に、これ以上無駄な出費を強いてどうする」と。でも、遺族から「香典返しいらないよね?」とは言えないので、香典返しの廃止は参列者の側から働きかけてはいかがでしょう、というもの。これすごく共感したなあ。私もぜひそうしてみる。